体操、陸上、水泳、サッカー、柔道、卓球、レスリング、ラグビーなど数あるスポーツの中でも水泳で鍛えた体型は特殊です。
ほど良く付いた筋肉とトイレのマークそっくりの逆三角形体型は、女性に人気の体型の一つであると言えるでしょう。
オリンピック、世界水泳などで水泳選手の逆三角形をした体型を見かけたときに「同じような体型になりたい!」と思った方もいるのではないでしょうか?
同じような体型になろうと水泳をはじめる方もおられるかもしれません。
しかし巷では「水泳をしているのに逆三角形体型にならない」という声をちらほら聞きます。
逆三角形の体型にならない理由は、あるポイントを押さえていないからです。
ポイントを押さえて諦めずに水泳の練習を行えば、ほとんどの人が逆三角形になることができます。
その証拠として水泳部に所属する人(男性)の中で、中学生では30%ほど、高校~大学生では50~80%以上が逆三角形体型になっているのです。
上記写真は海外ではありますが中学生水泳部の写真です。
著作権の関係から日本の水泳部の掲載はできませんが、見てみたい方は「水泳部 集合写真」で画像検索してみてください。
今回は元水泳部である著者が、水泳で逆三角形体型になるための秘訣を紹介します。
目次
水泳で逆三角形体型に「なれる人」と「なれない人」
「水泳をすると逆三角形の体型になれるのか?」の答えですが、「Yes」でもあり「No」でもあります。
温水プールには子どもから年配の方まで多くの人がおり、水泳を楽しんでいます。
年配の方の中には1,000~3,000mでも平気で泳いでしまう人もいますが、必ずしもたくましい体をしているとは限りません。
なぜでしょうか?
「走る」という運動と比較してみる
「走る」という運動に置き換えて考えると、その理由がよく分かります。「走る」運動をしている人の全員が、世界記録保持者ウサイン・ボルト選手のように筋肉がついている訳ではありませんよね?
では「走る」という運動をする人の中で、筋肉がついている人はどのような人でしょうか?
例を挙げてみました。
- 「A: 10kmを1時間で完走できる人」「B: 10kmを35分で走ることが出来る人」
- 「A: 1,500mを7分で走ることが出来る人」「B: 1,500mを4分台で走ることが出来る人」
- 「A: 100mを16秒で走ることの出来る人」「B: 100mを11秒台で走ることの出来る人」
※参考:左側は中学1年生(男子)の平均以下と同等の速さ、右側は高校3年生(男子)で運動部所属と同等の速さ
年齢が同じ場合では「Aの人」と「Bの人」のどちらが筋肉がついているでしょうか?
質問を「同一人物がAとBの条件にあっている時点で筋肉がよく付いている方は?」と言いかえても問題ありません。
答えは「Bの人(Bの時点)」です。
速く走るためには強く大きな筋肉が必要で、それが身についていなければタイムは出せません。筋肉をつけるためには、速く走るための練習が必要です。
筋肉の性質から「走る」運動の場合は1,500m以下の距離において、筋肉がより強く大きくなる傾向にあります。
結論として逆三角形体型になるには?
水泳においても「走る」ことと全く同じことが言えます。
「速く泳ぐことができる人」または「速く泳ぐための練習をしている人」は、筋肉がより強く大きくなり逆三角形の体型になることができるのです。
それとは反対に長い距離を泳ぐことが出来たとしても「速く泳ぐための練習をしていない人」や、ゆったりと泳いでいる人は散歩やジョギングと同じように体型に変化は見られません。
速く泳ぐための練習をする上での最低条件
あるポイントを押さえて水泳の練習を行えば、水泳選手のような逆三角形の体型になれます。
しかしその前にクリアしておかなければならない条件があります。
それは「クロールを正しいフォーム(動作)で泳げること」です。
完ぺきである必要はありませんが、基本は押さえておかなければいけません。
正しいフォームで泳げなければ、全身の筋肉を働かせることができず、速く泳ぐことができません。それはつまり、逆三角形の体型になれないことに繋がるのです。
ある程度の正しいフォームで泳げたなら、50mクロールで35秒を切るタイムがだせるはずです。
上記のタイムがだせない人や全く泳げない人であっても、「速くなる!」という自らの意志をもって練習を続けたなら、1~2ヶ月後には50mクロールで35秒を切るタイムで泳ぐことができるようになるでしょう。
泳ぎが得意な人であれば50mクロールで30秒を切るタイムを目指してください。
逆三角形の体型になるためのポイント
逆三角形の体型になるために大切なことは、先ほど話した通り「速く泳ぐことが出来るようになること」または「速く泳ぐための練習をすること」です。
1.速く泳ぐことができる人のタイムとは?
「速く泳ぐことが出来る人」の基準となる具体的なタイムを記載します。
● 50mクロール:28秒を切るタイムで泳ぐことができる
本記事では上の条件に合う人を速く泳ぐことができる人とします。
年齢が20歳以上の男性で上記条件を満たしていれば既に逆三角形の体型を手に入れているはずです。
2.体型に変化がではじめるタイムは?
必ずしも上記のタイムより速くある必要はなく、途中の段階で逆三角形の体型になっていることは多々あります。
これから水泳の練習を重ねていく方(20歳以上)であれば、50mクロールを30~31秒で泳げるようになる頃には体型に変化が現れてくるでしょう。
ただし次の水着のような特殊な競泳用水着を着用する場合は、水着の性能でタイムが縮まってしまうため上記の限りではありません。
3.速く泳ぐための練習とは?
「速く泳ぐための練習をする」ための満たすべき条件は次の3つです。
● 50mクロール:30秒台前半が望ましい。
● 練習では1回、1回を全力で泳ぐ。途中で力をゆるめたり、あきらめない。
● 休憩時間は短くする
クロールを正しいフォームで泳ぐことの必要性は先に述べた通りです。基本を押さえていれば上記のタイムで泳ぐことができるでしょう。
一番大切なことは1回、1回を全力で泳ぐことです。
常に全力で泳いでいれば、筋肉は強く大きく成長していき、速く泳ぐことが出来るようになります。結論として逆三角形の体型になれるのです。
参考に著者自身の写真を載せておきます。中学2年時でまだ身長も伸びておらず筋肉も少ししか付いていませんが、50mクロールを32秒ほどで泳いでいたと記憶しています。(水泳部ではかなり遅い方です)。高校時代以降のものがあればよかったのですが残っていませんでした。
中学生は筋肉がつきにくく、20歳以上になれば筋肉がつきやすくなります。中学生でも1年ほど練習するだけである程度の成果がでるのに、大人が水泳をやらない手はありませんよね。
練習メニュー
1時間ほどで行える練習メニューを考えてみました。
サイクルの例
「50m 1’00 サイクル」の場合、50mを40秒で泳いだら休憩時間は20秒、50秒で泳いだら休憩時間は10秒となります。
「50m 0’45 サイクル」の場合、50mを30秒で泳いだら休憩時間は15秒、40秒で泳いだら休憩時間は5秒となります。
【入門メニュー】
50mクロールを40秒以下のタイムで泳げる人であれば、こなすことができると思います。
- ウォーミングアップ:100m×1本 2’00 サイクル 2分00秒
- キック :50m×10本 1’00 サイクル 10分00秒
- プル :50m×10本 1’00 サイクル 10分00秒
- スイム(easy) :100m×1本 2’00 サイクル 2分00秒
- スイム(Hard) :50m×10本 0’50 サイクル 8分20秒
- スイム(easy) :100m×1本 2’30 サイクル 2分30秒
- スイム(Hard) :50m×10本 0’50 サイクル 8分20秒
- スイム(easy) :100m×1本 2’30 サイクル 2分30秒
- スイム(Hard) :50m×10本 0’50 サイクル 8分20秒
- クールダウン :100m×1本 2’30 サイクル 2分30秒
合計距離:3,000km 所要時間:56分30秒
【めざせ逆三角形メニュー】
50mクロールを30秒台前半のタイムで泳げる人であれば、こなすことができると思います。
- ウォーミングアップ:100m×2本 1’20 サイクル 2分40秒
- キック :50m×10本 1’00 サイクル 10分00秒
- プル :50m×10本 1’00 サイクル 10分00秒
- スイム(easy) :100m×1本 2’00 サイクル 2分00秒
- スイム(Hard) :50m×20本 0’45 サイクル 15分00秒
- スイム(easy) :100m×1本 2’00 サイクル 2分00秒
- スイム(Hard) :50m×10本 0’45 サイクル 7分30秒
- スイム(easy) :100m×1本 2’00 サイクル 2分00秒
- スイム(Hard) :50m×10本 0’45 サイクル 7分30秒
- クールダウン :100m×1本 1’20 サイクル 1分20秒
合計距離:3,600km 所要時間:60分00秒
※水泳用語…キック:ビート板を使用したバタ足、プル:手だけで泳ぐ、スイムeasy:ゆっくりと泳ぐ、スイムHard:全力で泳ぐ、アップ・ダウン:準備運動・整理運動
練習に慣れてきたら「プル」を行う際には、下の「パドル」を装着して練習を行いましょう。装着することで効率よく筋力アップさせることができるようになります。
早く筋肉を強く大きくして逆三角形の体型になりたい方は、「パドル」を装着した「プル」練習を増やしたり、5番・7番どちらかの「スイム(Hard)」を「プル」に変更するなどしてみてください。
あとがき
いかがでしたか?
水泳の練習は苦しいものですが、あきらめず自身をしっかりと追い込める人であれば、必ず成果が出るスポーツです。
あきらめず取り組んでいけば、その努力は実を結び逆三角形の体型を手に入れることができるでしょう。
次回は手っ取り早く筋肉を大きくしたい方へ向けて、スイミングスクールではほとんどやらない「水泳で筋肉を大きくする筋力トレーニング泳法」をお送りする予定です。
たぶん、時間が許せば…(;´∀`)
コメント
泳ぎ方がしっかりしてたら50mクロールを40秒は流してゆっくり泳いでも行けるからなぁ
人それぞれだろうなぁ
とにかく全力で泳ぐってのが大事だろうな